理事長あいさつ
経済情勢の好転による強い日本への期待をもって迎えた2011年であったが、何と、こんなことが続くとは誰も予想していなかった2011年となり、本学会においても、節目の年になってしまった。
1つには2月14日に信じがたい訃報が走ったことで、言うまでもなく山田至康理事長の急逝である。2009年の熊本大会が終了して、彼に理事長職を託したばかりであったのに、今から、彼の理想とする学会活動を行っていく時であったのに、何とも言えない悔しさが走るとともに、自分自身においても「つっかえ棒」をもぎ取られたような気持ちが続いている。二人で常に確認し合って、学会活動をやって来ただけに、急遽、再登板というわけになったが、学会を牽引していく不安は今まで経験したことのない淋しさと一緒に膨らんでいる。悔やんでばかりでは、前に進めないので、理事・評議員の皆さん、そして多くの会員の皆さんの協力を得て、追い風として社会的認知が高い現状で、さらに学会活動を盛り上げていこうと再度決意した次第です。
このような想いがようやくできるようになった山田至康先生の急逝から1ヵ月後に、あの大震災と大津波が東日本を襲って、これまた、信じがたい映像が流れ続け、釘付けになってしまった。余りの被災のひどさに、身動き取れない感じで、仙台在住の仲間にメール連絡するのがやっとでありましたが、自院DMATの出動等で迅速な医療支援活動の必要性を気付かされた状況でした。
発災後すぐから小児集中治療ネットワークの情報から始まり、都立小児総合医療センターの清水直樹先生方の迅速、冷静かつ強い行動力で、東日本大震災支援特別委員会を立ち上げることができ、3月18日から先遣隊として、岩手に送り込み、小児関連学会の中でも最も早い組織的対応ができましたことは、本学会ならではの誇れる、記録に残る活動と喜んでいます。
災害医学の項を読み始めると、発災を常日頃から予測しておくことが重要であるとして、すぐに、下記のような文章が掲載されている。
「どのような自然災害がコミュニティーを襲う可能性があるか?」「その災害は季節的なものか?」「洪水や高波が襲うような特殊な危険地帯に住居、学校、職場があるか?」「住居は災害に備えた構造になっているか?」「住居、職場、学校、保育所はテロリストの攻撃や産業事故の起こりえる場所にあるか?」 などである。
その発災の程度を、どこまで正確に予測して、予防策を立てておくか、或いはシミュレーションをしておくかが重要である。このことは学会運営においても同じであろうし、全てのことにつながることと想われる。これを肝に銘じて、先見の明をもって、学会活動を盛り上げて、学会会員一人一人に福音が来るようにしなければならないと感じている。是非ともみんなで盛り上げる学会として、将来のわが国の子ども達のために、多いに一人一人の善意を積み重ねる学会活動を行いましょう。
最後になりましたが、今回の医療支援活動に関しては、会員の皆様から多くの支援を頂きました、実際に派遣に参加してくださった先生方、そして派遣の間減ったスタッフ数で自院を守ってくださった先生方、快く募金活動をして頂いた会員の皆さん、ほんとうにありがとうございました。今回の支援活動を経験して当学会が会員同士の強い絆があると確信しました。これから、もっともっと絆の太い学会にしていきましょう。
本学会の発展の尽力中にお亡くなりになられた水田隆三先生、山田至康先生の両氏に誓って、また、本学会の発展に尽力したいと願っておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。