教育セミナーのご案内

日本小児救急医学会 教育研修委員会では、定期の学術集会とは別個に、2日間の教育セミナーを毎年開催しております。この教育セミナーの目的は、トリアージ、小児の症候の評価、身体診察、救急超音波検査、外科的救急(異物・頭部外傷)、児童虐待、家族対応、そして救急外来全体のマネジメント等の、小児救急医療を取り巻く今日的課題を学んでいただくことです。少人数のグループ制を取り、実践的な講義・ワークショップ・シミュレーション等を行い、小児救急医療の診療の質の向上とともに、参加者相互の交流を図っております。

今年は、第9回目として、世界遺産原爆ドームと、オバマ米国大統領も訪れた平和記念公園のある広島県広島市で開催することとなりました。

下記の要項で準備しておりますのでご案内申し上げます。

第9回 日本小児救急医学会  安芸の広島もみじセミナー
期 日 2018年12月8日(土)08:30 〜 9日(日)15:00
場 所 RCC文化センター(広島県広島市)
住 所 〒730-0015 広島市中区橋本町5-11   電話082-222-2277
主 催 日本小児救急医学会 教育研修委員会
対 象 小児救急医療に従事している医師、看護師、救急救命士
内 容

WS1 不機嫌と痛み

子どもの不機嫌と痛みを考える

子どもの初期診療で遭遇する「不機嫌と痛み」をテーマに、定義を明確にして理想的な早期認識と介入のための診療を考えます。本セクションの目的は「不機嫌と痛み」を意識障害のひとつの徴候として捉え、的確な表現と重症度の評価を加え診療の質をあげることです。診療姿勢を共有し、代表的な評価方法を学びましょう。

WS2 The身体診察

The身体診察 〜 こどものPrimary surveyをとことん極める

救急の現場でprimary survey(PS)、いわゆるABCDEアプローチは非常に重要です。内因性・外因性問わず、短時間で子どもの生理学的徴候を把握することができます。しかし、それらは身体診察で構成されており、人形を対象としたシミュレーションではその細部まで学ぶことは困難です。皆さんの知恵に匠の技と知識を融合させ、PSを通じて「The 身体診察」の世界を共有したいと思います。気道は開通しているのか、呼吸は保たれているのか、循環は良いのか、意識は悪くないか……、明日から自信をもって答えましょう。

WS3 外科系救急

小児の外科系救急疾患〜泌尿生殖器のトラブル~

『ちんちんが痛い!』、『お股から出血してます』など、一般的に見受けられる小児生殖器・泌尿器のトラブルに関して、現場で慌てないように、皆さまと一緒に勉強したいと思います。

WS4 超音波

ハンズオン「現場で使えるエコーの真髄を学ぶ」

小児医療従事者は急性期医療に携わることが多く、目の前の子どもの病態を把握し、短時間で最善の決断を行う必要があります。超音波検査は侵襲が少なく、比較的簡便に誰でも行うことができ、救急外来やベッドサイドでの臨床決断の一助となり得ます。超音波検査のメリット・デメリットを知り、その技術を高めることは、診療の質の向上につながるに違いありません。まさに明日から現場で使えるハンズオンセッションになるはずです。乞うご期待!

WS5 Triage HAMPANAITTE

triage HAMPANAITTE 〜時と人と場所のマネージメント訓練〜

救急外来は予定外・予想外が当たり前。想定外を想定する、チームでマネージメントするハンパじゃ終わらない45分。あなたは乗り切れるか。

仮想の救急外来を設定し、walk-in・救急車で同時に来院する子供達をトリアージし、適切な場所で適切な時間に適切な診療について判断するシミュレーションです。同時に複数の患者さんを診療するトレーニングを、医師・看護師のチームで行って頂きます。ハプニングの先にはハッピーがある。(実はHAPPENINGとHAPPYの語源は一緒なんです。HAMPANAITTEも。)是非みなさん一緒に楽しみましょう!

WS6 頭部外傷

小児頭部外傷-毎日の臨床と最新の知見-

救急外来を受診する小児頭部外傷の多くは帰宅可能な軽症患者であるため、深刻な問題とならずに多忙な日常診療は進んでしまいます。一方、重症頭部外傷の初期診療の段階から小児医療従事者が参加している施設は少なく、重症頭部外傷について考える機会も多くはありません。頭部外傷についてまとめて考える時間が欲しいなと思ったことはありませんか?

小児の頭部外傷に関する世界の知見は日々更新されており、年々進化しています。頭部外傷の知見は「より特殊なもの」と考えられがちですが、このセッションでは、頭部外傷にまつわる最新の課題に焦点を当て、シナリオを準備しました。ミニレクチャーとQ&A形式を通し、共に学びたいと思います。

WS7 ナラティブ

「はぁ、わや、じゃけー、ナラティブしんさい!
ロールプレイから家族対応の実践を学ぼう!」

人生いろいろ、患者・家族もいろいろ!そして小児救急医療現場にはトラップがつきもの!トラップに陥らないためには診療技術もさることながらコミュニケーション能力や人間対応力を磨くことが必要です。「語る」力に注目して、己を知り相手を知り、ナラティブ・アプローチで子どもと家族のよきサポーターになりましょう!

L2 BEAMS

BEAMS stage1

BEAMSは医療機関向けの虐待対応プログラムです。英単語のbeamには《光の束》という基本的な意味の他に、《屋根の梁》という意味と《心からの笑顔》という意味があります。複数形であるBEAMSには、《皆で虐待の問題に光をあて》《崩れゆく家庭を支え》《子ども本来の笑顔を取り戻してほしい》という意味が込められています。

L3 特別講演

「こころ震える日々を!」

小児救急医療は、プライマリケア〜初期救急医療〜二次救急医療〜小児集中治療へと、常にシームレスにつながっているべきであり、内因性傷病のみならず外因性・境界性傷病も小児医療者の対応が不可欠である。

小児救急医療ほど純医学的要素に加えて、社会医学的要素の占める割合が高い医療はない。すなわち、子どもの完成された傷病をいかに後遺症なく完治させるかに加えて、何故このような傷病に陥るかというプロセスを保護者・家族と分析して予防へ繋ぐこと、将来への養育環境の支援をすることなどの対応が強く求められている。

求められる純医学的・社会医学的ポイントは傷病・患児・保護者・家族の資質、養育環境で随分と異なるものであり、医療側の立ち位置でも異なってしまうと考えられる。これらを踏まえて患児・保護者・家族の傷病のプロセスや完成の「物語を傾聴」して、将来を見据えた健全養育支援を、小児救急医療を通じて行えるように努力すべきである。そのために日々の診療と症例と患児・保護者・家族の想いに感動して対峙する必要があるであろう。

これから遭遇するであろう「こころ震える日々を」確実に自分のものにするために、一緒に症例を通して考えてみよう。

開催世話人 志馬 伸朗  広島大学大学院 救急集中治療医学
委員長 植田育也 埼玉県立小児医療センター 小児救命救急センター
事務局長 山野上 敬夫 県立広島病院 救命救急センター
事務局 多田 昌弘 県立広島病院 救急科
赤峰  翔 県立広島病院 小児外科
〒 734-8530 広島市南区宇品神田1-5-54
問い合わせメールアドレス:hph.ccmc@gmail.com
参加費用 日本小児救急医学会 会員   30,000 円
日本小児救急医学会 非会員  42,000 円
参加希望で非会員の場合は新規入会をおすすめします。
新規学会入会サイトはこちらです。
受講者募集開始 2018年7月17日(火)10:00 〜
募集〆切 2018年10月31日 12:00(正午)
多数のご応募お待ちしております。
なお、少人数グループ制のため応募者多数の場合はご参加いただけない場合もあります。