熊本地震関連

2016熊本地震に際して

熊本地震から早くも半年以上経過した、その後、鳥取地震、福島沖地震と大規模な地震が相次いで起こっている。たまたま、後者2地域では大災害になっていないものの、いつどこで大災害が起こるか、判らない状況・時代になっていると言える。

このような暗澹たる現状の中、熊本県(県知事)から、学会宛に感謝状が届いた。いち早く、当学会災害医療委員会委員長の斉藤修先生と井上信明先生、西山和孝先生が先遣隊として熊本に駆けつけ、現場のニーズを探り、かつ初期診療をも行いつつ、熊本の小児科の先生方、行政等での小児災害医療の連絡協議会を設立して、その後の小児医療のあり方への道筋を付けたことが多いに評価されたことの現れだろう。

21世紀は「災害時代」と言ってもいいのかもしれないが、その中で、小児災害医療の先駆者として、被災地の子ども達を護ることを最大課題として、本学会が、災害医療委員会を窓口として、気概を持ってその任に当たることはわが国の子ども達に不幸な二次被災を予防するという観点からも極めて重要である。

このことを肝に銘じて、学会活動の大きな柱として、これからの小児災害医療のあり方を模索し、より良い災害医療の提供を率先して行って行く学会にして行きたいと願っています。

是非とも会員一人一人がその気概をもって、自分にできることからやって行けば、と期待しているところです。

2016年11月26日
日本小児救急医学会理事会
理事長 市川光太郎
日本小児救急医学会会員の皆さまへ

謹啓

もうすぐ発災から 1 か月と長引く 2016 熊本地震に地団駄踏む想いの先生がたも多いことと存じます。全国からの震災支援に現地の皆さまも随分と勇気づけられて、前向きに生活されている報道があります。さらに、食中毒や子どもの心の傷害などの問題報道も散見されています。

熊本地区の小児科の先生がたの話し合いで、当学会と日本小児科学会との支援派遣活動もほとんど一次救急診療に従事しましたが、熊本赤十字病院、熊本地域医療センターともに、前者が 5 月 13 日、後者が 20 日の学会支援派遣で終了となり、後は地元の先生がたで救急医療体制を維持していくと言うことになりました。

本日、当センターにヘリ搬送された乳児 2 人の 1 人も熊本日赤にバックトランスファーされました。

ということで、早期から支援診療に名乗りを挙げてくださいました、会員の先生がた、本当にありがとうございました。今回は被災地の先生がたもご健在であったこと、近隣の小児科医も一定の数がいたこと(特に福岡・北九州地区)から、近隣地区中心の支援活動で、一応終了予定となりました。当然ながら、今後もまた支援が必要になることも危惧されますし、別の発災が起こるかもしれません。いずれにせよ、また、先生がたにお願いすることがあるやと思っております。その際にはよろしくお願いいたします。

取り急ぎ、熊本震災における診療支援活動は学会として終了いたしましたことをご報告いたします。

謹白

2016年5月11日
日本小児救急医学会理事会
理事長 市川光太郎
(北九州市立八幡病院小児救急センター)
日本小児救急医学会会員の皆さまへ

謹啓

長引く 2016 熊本地震に心休まらぬ会員の先生がたが多いことと思います。活断層地震ということで 10 日間前後は続くことが予想されています。今から、更に被害が増加することが懸念されます。避難所でノロウイルスの流行が起こったなどとすでに感染対策も不可避となってきております。先遣隊からの情報では、反復地震に精神的に疲弊されている医療者が多いようです。

当学会は日本小児科学会を通して派遣医の傷害保険(日本医師会 JMAT)を獲得できております。但し、日本小児科学会会員に限るという原則論の上でのことです。一応、日本医師会に非日本小児科学会会員にも寛容に対応して頂けるように、日本小児科学会会長とともにお願い状を提出いたしました。

いずれにせよ、熊本地域医療センター駐車場と熊本日赤の 2 箇所での一次診療応援を当学会・日本小児科学会で支援することが決定して、すでに北部九州の会員を中心に支援活動が開始されました。支援活動で派遣可能な先生は是非とも事務局へ登録して頂ければ、と願っています。当初、医薬品持参での支援を、との要望がありましたが、医薬品の持参の必要性はなくなったことをお知らせしておきます。

名前(ふりがな)・所属施設・部署・都道府県・施設郵便番号・施設電話番号・電子メールアドレス・小児科専門医の有無等を添えて、日本小児救急医学会事務局までメールでお申し込み下さい( jsep@convention-axcess.com

謹白

2016年4月22日
日本小児救急医学会理事会
理事長 市川光太郎
(北九州市立八幡病院小児救急センター)
日本小児救急医学会会員の皆さまへ

謹啓

2016 熊本地震、反復による地震被害増大中はご存じの通りと思います。熊本市民病院、熊本地域医療センターが崩壊の危険があり、自院での診療が不可能となっており、DMAT の指揮下で転送が行われています。日赤の PICU 入室児の転送依頼も起こっています。

熊本日赤の平井克樹先生との連絡で、これから小児の一次診療患者が増える可能性があり、診療チームの派遣が必要になるだろうと予測しているとのことです。JSEP を中心としたチームの編成を行っておくべきと考慮しました。

一次診療所としては、熊本日赤病院の敷地内に設置し、医薬品持参の形での診療応援をお願いしたいとのことです。

是非とも、派遣出向が可能な先生方は JSEP 事務局に登録をして頂き、派遣日等の斡旋を事務局・災害医療委員会でコーディネートしていければと願っています。

取り急ぎ、薬品等を持ち出しての派遣が可能な先生がたを募ります。

よろしくお願いいたします。

謹白

2016年4月16日
日本小児救急医学会理事会
理事長 市川光太郎
(北九州市立八幡病院小児救急センター)
日本小児救急医学会会員の皆さまへ

謹啓

新緑の眩しい時期になる喜びを感じる候に、またしても思わぬ大地震が熊本地方で発生しました。津波がなく地震のみでマグニチュードの割には、被害は甚大になっていないようでホッとして居りますが、熊本日赤に先生がたからは現時点(4/15AM 時点)では院内には余裕があるとの連絡を受けておりますし、別の医師からは「院内には特に設備・患者の被害はありません。成人は赤タグ症例がかなり運ばれておりますが、小児例は今のところ脳震盪が数例程度です。一般外来は閉鎖して救急患者のみの対応としています。ニュースで報道されていた、倒壊家屋から救出された8か月児も当院に搬送され、私が対応しまし たが、軽度の打撲のみで、観察目的で入院としておりますが元気にしております。これから救出後搬送や転院依頼がくるかと準備をしております。今のところは余裕はありますが、今後傷病者が増えてくる場合にはお力添えをお願いするかもしれません。数万の人々が避難所生活を強いられておられます。」との連絡も受けました。

今までの連絡からは超急性期ではなく、急性期〜亜急性期に小児医療支援のニーズが不可避になってくるものと思われます。その際には、JSEP 災害医療委員会を窓口に医療支援派遣隊の構成を諮りたいと思います。

逐次情報を流して、皆さまにご協力をお願いしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

末尾になりましたが、熊本地方の会員の先生がたのご無事と今後の御活躍を願いますとともに、ご無理をなさらないようにと願っております。

謹白

2016年4月15日
日本小児救急医学会理事会
理事長 市川光太郎
(北九州市立八幡病院小児救急センター)