ハラスメント防止指針
- 1. 目的
- 本指針は、日本小児救急医学会(以下、本学会)が関連するあらゆる活動におけるハラスメントを防止すること、またハラスメントと思われる状況が発生した際の対応について定めるものである。本指針を定めることにより、ハラスメントに対する本学会の立場を明確にし、各学会員がハラスメント行為を回避して、快適に学会活動に従事できるようにすることを企図する。
- 2. 基本方針
- 本学会は、ハラスメントに対してゼロトレランスの立場を明確に表明する。本学会に関わるすべての人を尊重し、意図しない場合も含め、ハラスメントが生じない環境を確保すること、またハラスメントが生じている可能性がある場合は、迅速に状況を把握した上で、被害を受けた方の尊厳を守るように努める。
- 3. ハラスメントの定義
- ハラスメントとは、不適切な言動等により、相手側に身体的・精神的・社会的な不利益や不快な感情を与えるものを指す。そのなかに、優位な職務上の立場や権力を利用したパワーハラスメント、教育や研究における優位な立場を利用したアカデミックハラスメント、また性的な言動によるセクシュアルハラスメントなどが含まれる。さらに、ハラスメントが生じている現状を認識していながら傍観した場合、意図せず善意による行為に対し受け手側が不快な感情を持ってしまった場合でも、ハラスメントとなることがある。
- 4. 本指針の適応範囲
- 本指針は、原則として本学会に関係するあらゆる活動(本学会の会員同士、事務局職員同士、学会員と事務局員の間、学会員および事務局職員と外部の人や組織の間の行為を含む)を対象とする。つまり学術集会における活動、学術誌への投稿論文への対応、また本学会の主催する各種セミナーに留まらず、委員会やワーキンググループの活動、それらに伴うメールのやり取り等も対象となる。
- 5. 本学会の各学会員に求められる言動の原則
- 各学会員は、日々の社会活動のなかでハラスメントに該当する言動を慎むべきことは当然のことながら、ハラスメントの受け止め方に個人差があり、受け手側の判断が尊重されることを認識し、絶えず各学会員の人格を尊重した対応を心がける。
- また本学会に関する活動に際し、ハラスメントが生じていると認識した場合、次項6に挙げる方法でさらに被害が拡大しないように留意する。
- 6. 本学会内においてハラスメントが生じた時の対応
- 各学会員は、日々の社会活動のなかでハラスメントに該当する言動を慎むべきことは当然のことながら、ハラスメントの受け止め方に個人差があり、受け手側の判断が尊重されることを認識し、絶えず各学会員の人格を尊重した対応を心がける。
- また本学会に関する活動に際し、ハラスメントが生じていると認識した場合、次項6に挙げる方法でさらに被害が拡大しないように留意する。
- 1)本学会に関する活動に際し、ハラスメントが生じていると認識した学会員は、速やかに事務局を通じて理事長に報告する。なお本学会HPに、ハラスメント事例の報告窓口として、学会事務局の連絡先を記載する。
- 2)理事長はその事実を確認するため、特別委員会を設置する。なお特別委員会は、理事及び代議員数名の委員から成り、ジェンダーバランスに配慮し、かつ該当者との利害関係のない委員を選定する。
- 3)委員に選定された理事及び代議員は、該当する関係者より情報を収集する。特別委員会は理事長に調査結果を報告するとともに委員会としての意見を上申する。報告に際しては、個人情報の扱いに十分に注意しながら、以下の内容を含めることを検討する。
- 報告書に含める内容
- 相談者の氏名(所属・職名等)
- 被害を受けた者の氏名(所属・職名等)
- 加害者とされる者の氏名(所属・職名等)
- 当事者(相談者,被害を受けた者,加害者とされる者)の関係
- 問題とされる言動(行為)( ① 言動(行為)の内容はどのようなものだったか、 ② いつ(具体的日時)あるいはいつ頃から行われたか、 ③ どこで行われたか、(場所) ④ どのような状況で行われたか、 ⑤ 言動(行為)の目撃者はいるか、等
- 4)理事会では特別委員会の意見をもとに、ハラスメントの有無を判断し、ハラスメントの事実が確認された場合には、被害者のプライバシーに配慮した上で、その処遇を審議する。なお、処遇の判断に際しては、該当分野に詳しい弁護士等、本学会外の専門家の判断も積極的に活用し、学会活動を一定期間制限することなどを求める勧告、また定款第10条に定める本学会からの除名まで、状況に応じた適切な対応を検討する。
- 5)上記対応に際しては、守秘義務を遵守し、被害者の意思の尊重と人権擁護を最優先とし、慎重に対応する。ただし、相談者の訴えは、必ずしもハラスメントに該当しない可能性もあるため、その点も考慮する。
- 【追補】
- 本学会の会員が、所属施設において懲戒処分を受けるほどのハラスメントが生じた場合、当該会員による類似したハラスメントが本学会内でも発生する可能性や、本学会のハラスメントに対する基本方針も鑑み、以下のように別途その対応指針を定める。
- 所属施設において、何らかのハラスメントに起因した懲戒処分を受けた本学会の会員は、その事実を自ら学会事務局に報告する。学会事務局より報告を受けた理事長は、該当する本学会の会員からの情報収集等により報告内容の事実が確認でき次第、直ちに臨時の理事会を招集して審議を経た後に、一定期間、学会活動における役割(役員、委員会の委員、学術集会等での発表や座長など)から辞退するように勧告する。なお該当する会員からの報告がなく、第三者からの情報提供等により所属施設における懲戒処分の事実が判明した場合も、同様に事実確認及び理事会での審議の上、本学会としての対応を決定する。
- 以上
以下、日本小児救急医学会定款より抜粋
- (除 名)
- 第10条
- 正会員が次の各号の一に該当する場合には、総会において、総代議員の3分の2以上の決議に基づき、除名することができる。この場合、その正会員に対し、総会の1週間前までに、理由を付して除名する旨を通知し、総会において、決議の前に弁明の機会を与えなければならない。
-
- (1)本法人の定款又は規則に違反したとき
- (2)本法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき
- (3)その他の正当な事由があるとき
- 前項により除名が決議されたときは、その会員に対し、通知するものとする。
- (解 任)
- 第15条
- 代議員の解任は、正当な事由があるときに限り、総会の決議によってすることができる。この場合において、本法人は、当該代議員に対し、当該総会の日から1週間前までにその旨を通知し、かつ総会において弁明する機会を与えなければならない。
- 前項により解任が決議されたときは、当該代議員に対し、通知するものとする。
- (役員の解任)
- 第31条
- 理事又は監事は、総会の決議によって解任することができる。ただし監事を解任する場合は、総代議員の3分の2以上の決議に基づいて行われなければならない。
- 附則
- 本指針は令和6年9月2日より施行する