脳死問題検討委員会セミナーのご案内

第13回脳死問題検討委員会セミナーは、終了しました。

2010年改正法施行以来、わが国の18歳未満の臓器提供数は100例を迎えようとしています。新型コロナウイルス感染症が収束し、医療に日常が戻りつつある中、中国、UAEにおける移植医療の体制整備は、標準的教育プログラムの導入により急速に発展しています。人口100万人あたりの臓器提供者数を見ると、日本は0.62、アメリカの1/68、韓国の1/14です。アメリカは人口3億3200万人に対し年間約1万4000人が死後臓器提供しており、臓器移植件数は約3万5000件です。日本では人口1億2000万人に対して、死後臓器提供する人は年間100人前後(臓器移植件数は400件程度)となり、アメリカやヨーロッパの諸外国等と比較しても格段に少ないのが現状であり、国内外から「なぜ日本では臓器提供が出来ないのか」という問いも少なくありません。

例えば、重症心疾患に苦しむわが子のために家族が渡航移植を決意し、募金活動を呼びかける記事を見かけます。善意の輪と捉えられていた支援のための行動も、イスタンブール宣言発出以降は、いわれなき批判に晒されることとなり、当事者の心に思いを馳せると心痛に絶えません。わが国の移植医療は本当にこのままでいいのでしょうか。

「わが国の移植医療の現在と未来について知らずして、移植医療によって救われる方々の命について考えることは出来ないのではないか」という考えから、脳死問題検討委員会セミナーのテーマを「移植医とともに考える脳死下臓器提供の未来」と位置付け、臓器毎に、次世代を担うリーダーの先生方にお越し頂き、身近な距離の中で、日本の移植医療の未来について知り、共に語り合う機会を企画しました。また本年は、小児の臓器提供における律速段階のひとつである「検視と司法解剖」という普段学ぶことのできない側面について、法医学の碩学である小谷泰一先生にご講演頂きます。

人口減少が確定した日本の未来を憂うる前に、私たちは、今を生きる子どもたちの命を確かに救わなくてはなりません。

ともに学んで参りたいと思います。ひとりでも多くの皆様のご参加を心よりお待ち致します。

日本小児救急医学会脳死問題検討委員会 委員長 荒木 尚

第14回脳死問題検討委員会セミナー
期 日 2024年7月28日 日曜日
場 所 杏林大学医学部 講義棟 5階501
第37回日本小児救急医学会学術集会 第5会場
住 所 〒181-8611 東京都三鷹市新川6-20-2
主 催 日本小児救急医学会 脳死問題検討委員会
共 催 日本臓器移植ネットワーク
後 援 日本移植学会・日本救急医学会(予定) 
対 象 小児の移植医療、臓器提供について学びたいと思われる方
内 容
9:009:05 ごあいさつ
9:059:10 事務連絡 講師紹介
9:109:20 小児臓器提供における被虐待児の除外―海外ではどう対応しているか
<教育講演1>「法医学からみた検視の”なぜ”」
9:2010:00 三重大学大学院医学系研究科医学部法医法科学小谷泰一 先生
<講習> 移植医とともに考える脳死下臓器提供の未来
10:1010:20 グループ自己紹介
10:2011:10 25分×4グループ(1ブロック) 前半2ステーション
  • A)心臓移植の未来 大阪大学附属病院 小児科石田 秀和 先生
  • B)肝臓移植の未来 国立成育医療研究センター 臓器移植センター阪本 靖介 先生
  • C)腎移植の未来 東邦大学大森病院腎センター濱崎 祐子 先生
  • D)肺移植の未来 東北大学付属病院臓器移植医療部平間 崇 先生
10分 休憩
11:2012:10 後半2ステーション
ケーススタデイ
12:1012:30 臓器提供の申し出を受けたとき、あなたはどうしますか?
12:3012:40 J-ELSの紹介および修了証授与 (アンケート回収)・閉会
参加費用 第37回日本小児救急医学会学術集会 参加者   無料
第37回日本小児救急医学会学術集会 非参加者  ¥15,000
募集定員 60名
受講者募集開始 2024年 5月 13日(月) AM 10:00~
募集〆切 2024年 6月 30日(日)
(但し、早めにお申込みが60名に達した場合はその時点で締め切らせて頂きます。)
2024年 月 日( )まで延長いたします。